日本刀豆知識 刀剣鑑定-鑑定は結果ではない?

鑑定は結果ではない?!

 鑑定書、認定書、極め、小札、鞘書・・・在銘無銘問わず識者がその日本刀の真贋や作者を決め発行しているものです。 在銘はチトややこしいでので、ここでは無銘鑑定のお話を。


 どなたでも無銘の御刀を所持しているなら、この刀はどこの誰の作なんだろうとの考えに伏せるはず。 そこで登場するのが各鑑定機関ですが、試しに3ヵ所出してみたら、A機関の鑑定は○○、B機関の鑑定は△△、Cは□□・・・ と違った証書を受け取られた方も多いのではないでしょうか。その差は何か?「人間のすることだから」と逃げはしませんが、 奥深さが少しでも解れば鑑定結果から色々な事を推測できます。

日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 日本美術刀剣保存協会 貴重刀剣認定書

 堅い話になりますが、たとえば五箇伝。山城・大和・相州・美濃・備前。皆さんご存じのように鎌倉期を過ぎ、 時代が下がるにつれて刀工の出稼ぎ!?も増えて“大和から豊後へ”“相州から山城へ”“備前から相州へ”・・・と刀鍛冶は各地へ 移住しています。もちろんそのあと技術は子へ、弟子へ、と引き継がれ当地の技術も吸収し、独自の作域へと変貌を遂げていきます。 当然その地の鉄を使い、炭を使い、大和伝の強い豊後の刀・・・。相州伝の強い山城の刀。などなど。鑑定書籍が多数出版され、 江戸時代から今まで鑑定に関する奥深さは、この作域の変化との追いかけっこです。しかし、2万人以上いる刀工を個々に特定するのは 理屈抜きに不可能なのはお察しの通りで、時代判断と伝法を嗅ぎ分けて類似した「時代」や「国」「作者」「各地の刀工群」に割り振るわけです。

日本美術刀剣保存協会 甲種特別貴重刀剣認定書 喘喜堂(柴田光男氏) 鑑定書

 私ども業者はその鑑定に基づいて「無銘 直江志津 特別貴重刀剣」などと記します。当然誰が見ても直江志津! と思えるものからホントに直江志津?と思える物まで存在するのは事実ですが、大和伝の強い志津から美濃伝の強い志津まであり、 はたまた相州伝の強い志津も・・・。志津と極められず、他の国へ鑑定されたとしても、上記の事を踏まえると肯定も否定もしかねるのは私だけではないはずです。

日本刀剣保存会 鑑定書 日本刀装具美術館 鑑定書

 在銘には在銘の持つ喜びがあり、無銘には無銘の持つ楽しみがあります。たとえ、2枚別々の鑑定結果を記した 鑑定書をお持ちであっても、上記の事を踏まえると致し方ない結果であり、日本刀の奥深さの一つと考えては如何でしょうか。えっ!時代まで違う・・・・うぅぅ、困りました。

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